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からだの「再生研究」最前線

  • 執筆者の写真: planarianbrain
    planarianbrain
  • 3 日前
  • 読了時間: 2分

–モデル動物から医療応用へ–


中国四国地区生物系三学会合同大会2026


公開シンポジウム


2026年5月16日・17日の2日間、米子コンベンションセンターにて「植物学会・動物学会・生態学会の三学会合同大会」が開催されました。

16日(土)には、公開シンポジウム「からだの『再生研究』最前線 ―モデル動物から医療応用へ―」を企画し、あわせて第1演者としてプラナリアの再生について発表しました。


S-1. 再生界の王者プラナリアに学ぶ「完コピ」の戦略 井上 武(鳥取大学 医学部 医学科 適応生理学) S-2. 再生「できる/できない」の境を探る ― 性成熟で変わるゼブラフィッシュの再生能力 ― 阿部 玄武(鳥取大学 医学部 生命科学科 発生生物学) S-3. ヒト皮膚の幹細胞研究と再生医療応用 難波 大輔(鳥取大学 医学部 医学科 再生医療学)

 「再生」という言葉からは、物語に登場するような特別な能力や、再生医療のような先端医療を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし再生研究は、生物が損傷にどのように応答し、体を維持し、必要に応じて組織や器官を作り直すのかを問う、生命科学の根本的なテーマです。

 本シンポジウムでは、プラナリアの全身再生、ゼブラフィッシュの成長・性成熟に伴う再生能力の変化、ヒト皮膚の幹細胞研究と再生医療応用が紹介されました。対象は異なりますが、共通して見えてくるのは、再生能力が細胞そのものだけで決まるのではなく、位置情報、ホルモン、組織環境、加齢などによって制御されるという点です。

 再生研究は、「どの生物が再生できるのか」を記載する段階から、「なぜ再生できるのか/なぜ再生できなくなるのか」を問う段階へ進み、さらに「再生をどのように制御できるのか」を探る段階へ発展しています。一方で、再生は一つの仕組みに還元できる現象ではありません。全身再生、器官再生、組織修復では、関わる細胞や位置情報、組織環境、全身状態が異なり、同じ生物の中でも再生する部位によって機構は一様ではありません。再生現象のこうした多様性は、生物の体づくり、環境への応答、生活史、医学応用を横断して考えるうえで重要です。そのため、再生は植物学会・動物学会・生態学会の三学会合同大会で取り上げるテーマとして、非常にふさわしいものとなりました。


 当日は学会員だけでなく、大会に参加していた高校生や一般の方にもお越しいただき、盛況のうちに終えることができました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。




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