top of page

論文がDevelopmental Biology誌で公開されました

  • 執筆者の写真: planarianbrain
    planarianbrain
  • 6月19日
  • 読了時間: 2分

更新日:6月23日

 松原遼博士(現 鳥取大学医学部生命科学科)を筆頭著者とする学習院大学時代からの研究内容が、Developmental Biology誌に発表されました。論文のタイトルは「Reintegration of blastema and stump by reciprocal interaction for functional joint regeneration in frogs」です。

 この研究では、関節再生における「再統合(reintegration)」メカニズムを明らかにしました。これは、切断後に残された組織と新たに形成される再生芽との相互作用が、機能的な関節再生に不可欠であるというものです。具体的には、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)においてこの再統合メカニズムを誘導すると、肘関節の機能的な再生が可能となることが示されました。また、再生過程では、関節軟骨の細胞外マトリックス(ECM)の分解が起こり、これは線維芽細胞増殖因子(Fgf)によって誘導されたマトリックスメタロプロテアーゼ(Mmp1)の発現により実現されます。さらに、MmpによるECM分解は、細胞の増殖や分化を促進する一因であり、最終的に機能的な関節の再構築につながることが示唆されました。



Reintegration of blastema and stump by reciprocal interaction for functional joint regeneration in frogs Matsubara, H., Inoue, T. and Agata, K. Dev Biol, 525: 282-293, 2025 https://doi.org/10.1016/j.ydbio.2025.06.011


関節再生においては、複数の組織に由来する基部領域からの積極的な細胞的貢献が観察される。再生シグナルであるFgfにより基部領域でMmpの発現が誘導され、組織の分解が進行する。その後、組織の分解によって、再生芽と基部領域の境界部でBmpシグナル(pSmad)が上昇する。これらの相互的なプロセスが、関節再生における典型的な再統合応答を誘導する。







© 2020-2025  Takeshi Inoue All Rights Reserved.

bottom of page